女が正論を言うにはとりあえず外見の担保が必要
はてブ:内田樹の研究室: エビちゃん的クライシス(内田先生の元エントリ)
学生さんたちが、フェミニズムを知らなくて驚いたと書いてみた内田先生。
(きっと大して驚いていないんだろうけど、読者のレベルに合わせて驚いたところから話を始めてくれたんだろう。)
エビちゃん的ファッションの話が出て、”だってさ、そういう男性サイドの欲望を基準にして女性の理想型が変化するのはありとしてもさ、キミたちがそれを無批判にロールモデルにするのって、フェミニズム的にはまずいんじゃないの”と聞いたら逆に聞かれたそうだ、「フェミニズムって、何ですか?」。
どうでもいいようなコメントを書いちゃった上に2連打してしまってなんかへこんだので、
真面目に10分くらい考えてみようかと思う。
自分、20代もかなりの後半だけど、やっぱり知らないなあ。フェミニズム。
あ、いや、言葉は知ってるんだけどさ、
批判的な文脈でしか聞いたことないんだよなあ。
男に対抗しようと何にでも噛み付いてギャーギャー騒いでいるおばさん、
というイメージは誰に植え付けられたのだろうか。ううむ。
でもよく考えたら歴代フェミニストの方々が開拓してきてくれたおかげで、
私もこうやってうすらぼんやりストレスもなく楽しく生きているわけで、
ありがとうございます。
ということで、いま「フェミニズム」が女性にとってあまり必要とされていないのなら、
(つまり、フェミニズムを発動しなければいけないようなあからさまな不平等が存在しなくなったのなら)
それこそがフェミニズムの成果であり、素晴らしいことだと思う。
ところで、フェミニズム的にどうかはわからないけど、そうはいってもやっぱ外見は重要であります。
人間が開放的になるには外見の担保がいるのよ。
どんなに格好つけたって外見アウトだったら痛いのよ。
自己実現って、自己を最大限に発揮する環境整備も含めて自己実現っていうのよ。
それにはもちろん外見も不可欠なのよ。
人間なんて(というか日本人は特にか?)論理批判と人格批判を外見批判を一緒くたにして他人を見てるんだから、
例えばいくら女が正論*1を言っていようが、相手の男に
「ダサい女がなんかさわいでる」と思われたら負けなんだよなあ。
いや、そういう↑こと思うのは間違ってると思うよ、思うけど、
それをまた批判したって、男がそう思っちゃったんだからしょうがないよねぇ。
男性の生理的なものがフェミニズムとか、他の何かの思想でで変わればすごいことだけれど、
そんなに出来た男を見たことがない。
女が外見によって扱われ方がどんなに違うかは、全ての女が重々実感しておりますよ。
だからまあ、そういうところは上手く使うのがよいんでしょう。女にとっては。
せっかく正論を言う前に外見どうのでひっかかっちゃうとめんどくさいからさ、
(そしてそれが間違ってると吠えたって疲れるだけだからさ、)
そんな些細な壁は、さっさと小ぎれいにでもデコラティブにでもなんでもしてクリアするほうがよい*2。
そういう意味では、フェミニズムと名乗らないフェミニズム、
という高度な戦略がいまだに着々と進行しているのかもしれません。
っていうのは考えすぎか。
女だって自分が小ぎれいなほうが生理的に気分がいいのは確かだしね。
わざわざ男と対で考える事自体がそもそも野暮なのかもしれません。
ていうかエビちゃんかわいいんだから真似したっていいじゃーん(出来る人は)。