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プレジデントファミリーの割り切り方がすごい

プレジデント Family (ファミリー) 2007年 10月号 [雑誌]

プレジデント Family (ファミリー) 2007年 10月号 [雑誌]

毎回特集名がえげつなくて好きです。読んだことはないけど(笑)。
”愛される子”ってすごいよね。
この雑誌ってどのくらいの層の親達がターゲットなんだ?
ほんとに階級が違う(庶民の価値判断に巻き込まれない)人たちの属する
社会のルールや帝王学なんかは雑誌じゃとても扱えないだろうから、
その下の普通の金持ちというか中流家庭以上向けなのかな。
いいよねなんか。
みんな健康で思いやりのある子に育ってくれればそれでなんて口では言うけどさ、
ぶっちゃけ、子育てなんてきれいごとじゃないでしょ?他人より秀でてるに越したことないでしょ?
みたいな。ドライ感が。


しかし、より「現在の」社会のシステムに最適化することを最優先にして育てるっていう
割り切り方は、確かに現実的かもしれないんだけど、
こういうの読んでる親から育てられた子達は、せっかく社会で影響力のある地位を得られても、
社会を変革していったり新しいパラダイムを提唱したりとか
そういう方向へはいかなそうだな。
なんせ特技「最適化」だもんな。


ああでもほんとの「いいとこの子」は技術とかじゃなく素で、素直でいい子が多いんだよなあ。
変化にも強いし、新しいことにもチャレンジするし、思いやりがある。
その辺の人たち育ててる親ってこういうの読んだから”愛される子”が育ったのかっていうと、、
なんか違う気がする。
ま、読んでるかもしれないんだけど、もともとの親のスペックがいろんな意味で高いんだなあと思う。
ヤンキー(e.g.四露死苦)ばりの変な当て字系名前とか付けられてないし。
お育ちがいいって、こういうことを言うのねえみたいな。
ここら辺の人たちは、せっかく余力のある育てられ方したんだから
最適化なんてしょぼいことやってないで、
パラダイムの外にがんがん出てって日本をどうにかしてやるくらいにいろいろやって欲しいもです。


しかしまあ、どんなに想像力があっても、ある一定以上の「まともな」家庭の子は、
ほんとにからっきしな”弱者の痛み”みたいなのはきっと分かるようには育たないだろうな。
それが悪いとかじゃなくて、
自分の経験からいって、自分が知らない階層のことはほんとに分からないもんです。特に下は。
自分は結構下だからと思って分かってるつもりになってたときもあったけど、
全然甘かったというか。
自分の階層では”ありえない”ことに遭遇してそこで思考停止しそうになったり。
というか今思考停止してることがたくさんある。


ただ自分は、そういうのを知らないまま一生済んでしまう階層じゃなくて、
自分もいっぱいいっぱいだけど他人の苦労もよく見えるような階層に生まれてよかったとは思う。
矛盾や自己欺瞞に悩む層というか。
どんな層だよって言われてもよくわかんないけど。
まああと世代とか。生まれた地域とか。そういうのいろいろ含め。


というかそもそも日本に住んでるだけで相当何階層も上なんだよね。
その上に乗っかっていながら何嘆いて見せてんの?って話か。


しかし、何階層も下の人への想像力を持ち、どうにかできる人間に育てよう!
という雑誌は売れないだろうなあ。
それこそ「きれいごとじゃないでしょ?」って話ですもんね。
私だって買わないや。


結局、弱い層を助けようとするのは、その層が見えるそれに近い層っていう。
ことになりがちなのかな。
既得利権は可視化されてきたから崩せるけど、既得階層は不可視だからなあ。

見えたら負け、みたいな世の中なんですかねもしかして。上も下も。あ、昔から?
全然他人のこと心配してる場合じゃないけど、
でも負けでもいいから見えたい。ような。見えたくないような。うーーむ。
所詮は偽善です。と書くのも偽善。と書くのも(ry。