他人の不幸を奪う
悲しいほうが、安心する人がいるので
不安な方が、充実する人がいるので
苦しい方が、楽しい人がいるので
寂しいほうが、落ち着く人がいるので
そこに留まって、時間を止めて、思考停止して、
いる時間が確かに、必要な人はいるので
そういうのは私は、基本的には、そのままにしてしまうのだけれど、
その人が、大切に、大切に手放さない不幸を
でもたまに意地悪で、奪い取りたくなる。
その拘りを、囚われを、恨みを、未練を、蹴散らしたくなる。
ちょっと表現違うか、どちらかというと
優しく分からないうちに、でも確実に、はぎ取ってしまいたくなる。
幸せという最大の不安の中で
幸せであり続けることを決意することが出来たなら
きっとそこには
その人が本来生きるはずだったあり方が
見える気がするので
ただ単にそれを、見てみたいと、私が希望するので。