旧 はてブついでに覚書。

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感情の一次元目

私は鬱を知らない。
小さい頃から無駄に柔軟性があった。
親が離婚して再婚して離婚して復縁しても気にせずに、
友達に一年間無視され続けていても気にせずに、
その他もろもろのコンフリクトなど、
最終的には全てと和解して消化してフラットにして一ミリのわだかまりも残さず平然と大人になった。
社会人になってから身に起こったいろいろは
小さい頃のタフな出来事に比べれば取り回すのがはるかに楽な事象ばかりで
みんなが何をきっかけに、どう落ちていくのかさっぱり理解できなかった。
同じ環境に居ても自分が落ちるとは全く思えなかったからだ。
何かを気にしないことなど簡単だ。昔からそうやって生きていた。
なぜみんなそれが出来ない?
素で分からず、不審に思いながら生きていた。


でも鬱の人たちにいろいろ会って、いろいろ学べた。
というか、学んでいる。
一番は、ただ受け入れるということを学んだ。
対等に寄り添うということを学んだ。
あと、感情は論理や言葉で解決するものじゃないということを学んだ。
それと、鬱自体別に否定されるべき状態ではないんじゃないのということが分かった。というか私が勝手に否定してただけなんだけど、そういうのは全くなくなった。
あと、自分の生理前のイライラっぷりとかから推察するに
感情的なものが引き金になったとしても鬱自体は気持ちがどうのこうのといったこととは全く関係ない物理的な病気だということは知ってる。


まだまだ学んでる途中なんだけど、
これまでのブログでも学んだと思ったことは合ってるにせよ間違ってるにせよ一応書き留めて来たけど、
一つ書き忘れていた。


それは、みんなわりと、メタでは生きていない人だということだ。
自分は他人と接するとき必ず一歩引いて相手との距離や相手の感情の理由を探る自分が居るような気がするんだけど、
そうじゃなくて、割と素直に、世の中に対して、一次元目の自分で接している人が
それが壊れたときにバックアップがなくて落ちていたりする感じがする。
他人と一次元目で接してくれているくらいだから、
優しくて誠実な人が多い。
人の喜びも最前線、人の悲しみも最前線、人の侮辱も最前線、人の怒りも最前線で受け止める。
頑張ってそこからメタに行こうとするんだけど、やりなれてないから逆に自縄自縛になる。
わかんないけど。
何か違うこと言ってるかもしれないけど。
そんな印象を持った。


たまに私も全身全霊ver.で人に当たって砕けてリカバリに時間かかったりはする。
ただ、いつもってわけじゃないので、時間さえあればメタバックアップを再装備できる。今のところ。


というか、自分がそういうバックアップを意識して人と接しているということに、
鬱の人と話して初めて気づいた。
最初お互いのコミュニケーションの次元が噛み合わず、
全く会話にならなかったことがあったからだ。


私は、どう気にしないかというhowの話をしていた。
メタの次元の方の、精神のバックアップの方法の話だ。
相手は、そもそも気にしないことなど出来ないという次元にいた。
そこにその人のメタは存在しなかった。
その人の一次元目が、同じ一次元目のことを考えていたのだった。
暗闇の中を追いかけっこしながらぐるぐる回っていた。
メタで細工をしてごまかしてしまうのではなく、
その一次元目がそのまま浮き上がる、その正攻法を探していた。
その浮力を求めていた。


ああそうか一次元目があったんだ。
自分にもあったんだ。
自分がそれを、やっと思い出した瞬間でもあった。
まあ、思い出したことが、いいことかは分からないけれど。
そしてそれが救われる方法があるのかも分からないのだけれど。


ただ、懐かしくて、優しい気持ちになった。


ほんとは全員が一次元目でコミュニケーションして誰も傷つかない世の中なら一番いいんだよね。思い出したよ。



鬱の人は、どんどん増えてると思う。びっくりするくらい多い。
もちろんカウンセラーや医者が治療してくれるのだけれど、
診療時間なんて限られてるし、
その人に週に30分会ったとしても、他の全ての時間は普通に社会と過ごす。
お医者さんたちがいくら頑張っても、本人ががんばっても、
社会の大きな無理解がある限りは、社会の仕組みがタフなままなら、焼け石に水だ。
無理解は難しい。責められるかもしれないけど、理解できない次元に精神が留まっていた場合、ほんと理解できない。
でも、一つ一つ学習して、一つ一つ受け入れられたらいいなとは思ってる。


誰かを受け入れるということは、自分を受け入れるということだ。逆もそう。
つまり、鬱の人のためとかじゃなくて、
その、いつ誰がどちら側になるかなんて分からないこの世界で、
そうあろうとすることが自分にとってのセイフティーネットでもあるということ。
単に100%自分のため。お互いにね。
なんかうまくまとまらないけど。長いけど。眠いけど。一応メモ。