罵倒語に載る意味の重さの個体差とか。
人が何かの言葉に怒る時、
普段その人がその言葉にどれだけの悪意を込めているか分かる。
悪意というか、悪い印象か。
先日父親が同級生のおじさんのことを私に説明する際「デブ」という形容を使ったのだけど、
父親の田舎ではデブという言葉は、大阪で言うアホみたいなもの(かな)で、
太った人を形容する時に使う場合、割と気軽に好意的に使う。特に長年の友達だからか。
私もそちらにあわせて「ああそうなんだ」と返していたら、
突然母が、「私あの人のことデブだなんて思ったことない!」とか
怒り始めた。
あっけにとられた父親と私から
「あんたいつもデブって言葉にどんだけ悪意込めてんの」
速攻のダブル突っ込み(笑)。
言うてもそうとう恰幅のいい人なわけで、「思ったことない」は無理があると思うんだが・・。
彼女の中で「デブ」は相当の罵倒語であったらしい。
本人(特に気にしてる人)に言ったらアウトなのは当たり前だけれど、
その言葉を執拗に言わないようにするのも結局胡散臭いんですけどね。
「思ったことない」とか言うことによる偽善性の露出ほうがアレだと思うんだけど。
両親は、父親のほうは田舎のおおらかで爽やかな罵倒コミュニケーション、
母親のほうはわりと儀礼的で偽善的な人間ばかりの家系なので表現も表面上至上主義、
いろいろと言葉の齟齬があって面白い。
二人とも私などよりよっぽど性格はいいんだけどさ(笑)。
だけど、いざと言うときにほんとに汚い言葉を吐くのは母親のほうだったりね。
観察していると、父親系は、言葉の意味が軽い。
罵倒語に価値判断が載っていない。人格批判も載せていない。
たとえば「馬鹿」は馬鹿という以上の意味でも以下でもない。
馬鹿だから嫌いとか馬鹿だからダメ人間とか、そういう人格批判を含まない。
私は彼に1日に10回は馬鹿といわれるけれど、確かにその場においては私は馬鹿なのである。
でもそれでおしまい。
私がその場で馬鹿であったことは、そしてそれを指摘されることは私の価値にはなんら関係ない。
何というか、罵倒に愛がある。
片や、母親系は言葉の意味が重い。
罵倒語=人格批判という脊髄反射になっている。
たとえば、「馬鹿」=存在を軽んじられる、
みたいな。
(いや言ってないって。)
何というか、罵倒が冷たい。
私はどうやら父親寄りの言葉遣いのようで、
よく表面上至上主義の人たちを困らせることが多いよう。
たとえば「頭おかしい」は、私が歴代属してきたコミュニティ(含会社)では、
どっちかというと最上級の褒め言葉。
クレイジーの方向がクールってことね。
まあこれは自覚してるから通じる人にしか言わない。
次、「気違い」。
本当に、単に「気が違う」という意味で使う。
気違いだから排除しろとか、嫌い、とかそういう価値判断は載っていない。
気が違うので対話が無理(と主観では判断する)、という時に使う。
これは私が田舎に住んでいるからなのかな。
割と田舎の人はそういう意味で気違いという。気がする。
道徳云々に絡め取られた言葉ではなく、こう、生の実際的な言葉として。
これは結構口ごもる人がいるね。
口ごもる人が性格がいいとか、その人を気違いだと思ってないとか、そんなことはない。
思ってあえて黙った、というのが目に見えているのだけれど、
なぜあえて口ごもるのか。どれだけの悪意がそれを口ごもらせたのか。
これもリアルではほぼ使わないけど、でもそんなに忌み語にされるもの・・・か?
あとは・・・って眠いので他に例を思いつかないなあ。
そうは言ってもそんなに使う言葉ではないからなあ。
とか書いててどうも既視感があったので過去ログ見たら同じこと書いてたorz..
でも下手に中途半端な道徳心持ってると言葉の抑制おかしいなとか思ったりしますたまに。
バカにバカって言っちゃいけないよとか、そういう教育受けた感じの人。
”かわいそうな人なんだから”みたいな変な育てられ方した人。
その、なんていうのかな、いつでも自分が上だという前提に立ったような教育。
自分は、普通にバカなときはバカにされて育ったので、
変にバカにするのを抑制してる人を見ると気持ちが悪くなったりしないのかなとかむずむずします。
だいたい、口に出さなくてもすでに目で言ってたりとかしてるわけですしね抑制してるのがばれてるってことは。よっぽど失礼だろってww。
で、そういう人がわざわざ人をバカにするとすんごい重たかったりね。ああ、心底バカにしてますねあなたっていう。。
いや人をバカにするのはもっとカラっとさらっといかないと、っていうか愛がないと、、。
ほんと、今年の私のテーマが(結構上の世代の)邪悪な善人との戦いなんですが(笑)、
こういうあたりから切り崩していきたいですね。。
独善的な人って、たいてい自分のことを「ささやかな善人」だと思っていますが、
普通ささやかな善人ってもっと寛容だろ、とかね(笑)。