「当てにされない」雇用
友達にヒアリングしてみると、案外子供がほしい人は多い、ということがわかった。
まあ旦那さんの仕事が比較的安定しているか、
自分が産休取れる可能性がある人が多いけれど。
自分の知っている中では学校の先生(私立)の子が最長かな?
1年とか。だから保育園の予約すごいがんばったって言ってた。
ちゃんと決まって復帰できることがわかったときは本当にほっとした模様。
ちびちゃん1歳から働くっていうのはとても大変だとは思うが、
そのくらいで復帰しないと仕事を繋ぎとめてられないのよね。
偉いなと思う次第。
最近のネットで学習したところによると、専業育児も大変らしいので(あんな鬱陶しいのと毎日一対一じゃ息も詰まるであろう核家族)、働いてるから大変ってこともないんだろうけど。
私は(ほしいかどうかは別として)産休もなにも、まあ孕んだらお仕事終了だろうなというだけの雇用のされ方なのだけど、
産休が取れるような安定雇用の下にいる人たちをうらやましいと思いつつも、
そこまでして働く気になるかなあという気もしている。
私の人としての能力が残念ということを棚に上げた話をいたしますと、
基本的に、日本の女のサラリーマンの賃金は低い。
統計にパートタイムとか入ってるからやろ、といわれるかもしれないけど、
(なんでパートタイムにならざるを得ないかって話で鶏だ卵だって話もあるがさておき)
正規雇用だけで比べても女は男の7割。これでもまだ縮小してきてるらしいけどまだ7割。
正規雇用者など一般労働者における男女の1時間当たり平均所定内給与額の差は,長期的に縮小傾向にあり,平成20年については,男性一般労働者の給与水準を100としたとき,女性一般労働者の給与水準は69.0となっている。
平成21年の男女共同参画白書より
先進国と比較して大変残念なレベル(最近残念って言葉が便利で困る)らしい。
原因とか、こういうの男女の賃金格差レポート(pdf)とか見ると「管理職が少ないから」とか「重要な仕事を与えられてない」とからしいけど、
まあ一言で言って、日本、特に古い企業では「女は当てにされてない」に尽きると思う。
片や、「当てにされてる」ほうの男はどうかというと、そりゃあもう迷惑なくらい当てにされている。
休めないし、帰れない。
褒める気はさらさらないが、まあ合理的っちゃ合理的だったのよね。
子供が熱を出したりして帰らなきゃいけない役割は女、給料安く、当てにせず。
その代わり男は人質。家族手当も出すよ。だから働いてね家庭とか顧みないで。
という分業。
まあ、身体が丈夫で、何よりも仕事を優先する人だけで会社が構成されてたら
効率いいよね。そりゃあね。大変に息苦しいけどね。。
で、グローバル社会になどなってみましたら、
欧米では男だろうがファミリーに何かあったらさっさと帰ると。バカンスも取ると。
そして生産性は日本とそんなに変わらないというか上だったりすると。むしろ残業してる人無能みたいな。
で、日本人が、
あれ?みんな我慢してたのはなに?
自分に厳しく他人にも厳しくでお互い監視しあって胃を痛めながら働いてたのはなに?
てかワークライフバランスって何だろう美味しいのかしら食べてみようかしら、
という今日この頃でございます。
欧米では、って言うほど欧米の働き方なんてぜんぜん知らないのであれだけど、
まあ数少ない知り合いのガイジンが言うことを鵜呑みにするのならば、あと海外ニートさんのブログのとおりならば、
他人もさっさと帰る、自分もさっさと帰る、他人も休みたいときは休む、自分も休みたいときは休む、
という人たちで構成される会社でも十分成果を挙げることは可能なのでしょう。
というか、そういう社会でないと、小さい子供、病弱な子供、障害のある子供を持つ親、
自身が身体が弱い、メンタル不調を抱えている、etc. の人たちが働けないでしょうぜんぜん。
今、働けてないからそういう人たちはまとめて非正規雇用か生活保護かっていうことになっているわけだけど。
(暇で健康でも無職や非正規雇用のひといっぱいいるけどね!)
今、一応世の中は雇用機会格差の是正に向かっていると思うのだけれど、
日本人がこういう当てにできる人だけチームじゃないやり方で仕事をするようになったとして、
多様な働き方が可能になったとして、
ひとつ思いますのは、われわれはそれで時間が生まれるのか、ということと、
家庭の所得はそれで上がるのか、ということ。
今、不況であるとして、かといってじいさん世代の給料が減るわけがないとして、
多分今後われわれの世代の男女の賃金格差はどんどん縮まっていくと思うんですよ。
・・・女の給料が上がるんじゃなくて、男の給料が下がるという形で。
そうすると、こう、二人共働いて、平等だねってやって、
平等に二人残業してるね!ってやって、
あれー育児いつすんのみたいな。
どっちか夜勤ですかみたいな。
かといって片方だけが働いているだけじゃ生きていけない、と。
今、私、不安定雇用ながらいっぱしに残業なんぞしてまして、まあ独身時代と変わらない生活をしているんですが、
それにはカラクリがありまして、
義母(ママン2.0)の宇宙規模の寛容度によりパラサイト夫婦は残業したあとすぐ夕飯にありつけるわけですね。
愛情たっぷりにセットアップされた・・・。
(社会で割を食わされている世代に家庭内でその分たかるみたいな循環ってあちこちで起きてますよねははは・・)
義母の主婦スペックの高さの恩恵にあずかりまくりの毎日を送っていますと、
こう、家計としての合理性を考えたときに、
女の給料が男の7掛けなら、給料まともにもらえてるほうがその分フルで働いてまともにもらえないほうは家にいたほうが
効率いいんじゃないの、とか、
キャリアにもなんない働き方してるならいっそ家に篭って家事スペックでもあげたほうがまだマシなんじゃないの、とか
高度経済成長期思想に一瞬戻りそうになるのであります。
しかーし、
終身雇用なき今、そんなひとつのバスケットに卵を全部入れるような、
危険な分業体制は敷けないのであります。
両方とも家事も仕事もできないとであります。
こういうこと、考えると私はいつも同じ結論になるんだけど、
日本さあ、こんなに物あって人のスペック高いんだから、半日だけ働いて同じ給料とかぜんぜんいけると思うよ、ということ。
週40時間フルで働ける人を基準にするからたくさんの人が「当てにされない」んだよね。
半分が基準なら、みんなもっと普通に当てにできるよね?
後の半日は育児なり家事なり静養なり地域活動なり介護なりしましょうよ。介護職や育児職作ってアウトソースするんじゃなくて。
われわれには金もないが、多分、もっとなくなってるのは、時間だ。
法律で半日にならないかなー労働時間。